私とSB69と思い出 その1

SB69というゲームと出会い

SHOW BY ROCK!!(ショーバイロック:通称SB69)は、プロジェクト発表が2012年、ソシャゲ化が2013年に始まったサンリオによるコンテンツです。

ソシャゲはその後2020年にスクエアエニックスに運営が譲渡され、新たに「SHOW BY ROCK!! Fes A Live」(通称ショバフェス)として全面リニューアルされていったものの、この度2022年11月30日をもってサ終と発表されました。

私自身ソシャゲが不慣れであった時期にインストールをし、数年それなりまじめにやってきたアプリであったため、このサ終に関してはかなり色々な思いがあります。

ゲームについては考えてやめたため、どちらかといえば批判的な意見の方が多くはなりますが、ちょうどこれまで思ってきたこともありここで気持ちをまとめてみようかと思います。

先に2013年からゲームを開始したと紹介しましたが、私がこのソシャゲを始めたのは開始から1年めにあたる2014年6月のリニューアル版からで、だいたい2年くらいは真面目にやっていたかと思います。

2015年からはゲーム内のタイアップアーティストなども出演するリアルイベントライブも開催されており、そちらにも田舎からはるばる参戦をしておりました。

一応簡単に説明をしておきますとSB69というゲームはいわゆる「音ゲー」に分類されるもので、リズムに合わせてアイコンをタッチしてハイスコアを狙うというものでした。

ショバフェスについては残念ながら一度もインストールはしておりませんので詳しいことはわかりませんがだいたい同じような内容であったのではないかと思います。

音ゲーというジャンル自体はそれほど珍しいものでもありませんし、一体なにがそんなに面白かったのか?ということを振り返るとやはり「キャラクター」と「世界観」が非常に魅力的だったということに尽きます。

今でこそキャラクターとストーリが面白い「だけ」のゲームは量産されていますが、2014年くらいというのはまだまだスマホゲームは成長過程にあり、ゲーム内容よりもキャラや世界観目当てで続ける私のようなプレーヤーも少なくはなかったはずです。

逆に言えばゲーム自体(スマホでする音ゲーそのもの)が個人的にあまり好きでなかったということもすっぱり辞めることができた理由の一つかもしれません。

そのまた逆に、ゲーム内で登場した楽曲は初期のものは特にすばらしくて今でもよくプレイリストに入れていたりします。

ゲームを辞めたあとにも数年私の最推しとして心の支えとなった植田真梨恵さんもそうですが、現在は解散してしまった「カフカ(のちにKFKと改名)」や「カラスは真っ白」、後にブレイクする「04 Limited Sazabys」などなどバンドアーティストとして実力のあるところを早くから引き抜いていたという初期の運営の選定眼は本当に神がかっていたと思います。

美少女アニメ路線にしてダサくなった

おそらく「SB69」というコンテンツを少し知っている人にとっては、「よくある美少女もの」という印象が一番強いのではないかと思います。

SB69のキャラクターは基本的には動物をもとにした擬人化(?)で成り立っており、サンリオらしい動物デフォルメ形態のミニキャラと、バンドライブをするときのケモミミ人間型と2つに変化します。

初期からメインキャラとなっていたのがバンド名「プラズマジカ」のシアンであったこともあり、一応は美少女路線をメインビジュアルとしていたようには感じます。

ただゲーム初期設定の頃から「シンガンクリムゾンズ」というビジュアル系男性バンドも準メインのようになっていましたし、前述のリアルバンドをもとにしたキャラバンドも男性キャラが多くありました。

私がゲームを始めた頃はアニメ系の声優を起用したバンドと本職のミュージシャンをモチーフにしたバンドとがいいバランスで混在していて、曲調の好みはあるものの幅広い音楽ジャンルをキャラクターの個性とともに展開していたと記憶しています。

ただ初期の頃から非常に気になっていたのがゲーム内で「社長」と呼ばれるプラズマジカの事務所の人間(兼、ゲームのチュートリアルなどを行うキャラ)に余計な個性を持たせているという点で、いちいち前に出てくるのをうざいなあとは感じていました。

タレントよりも裏方が偉そうに前に出てくるようになると内輪ウケのネタが増えたり、タレントが萎縮して観客よりも内部の人間を喜ばせるためのパフォーマンスをするようになって全体的に観客目線でつまらないものになっていくものですが、そういうニオイを恥ずかしげもなく出しているのがなんとも言えずに気持ち悪いなあとゲームを楽しみつつも思っていました。

特にリアルイベントのライブではその傾向が顕著で、ライブ前に長々と「社長あいさつ」みたいな口上をしていたり、いちいち面白くないギャグ(そういうキャラ付けではあったけれども本当に面白くない)をMCに挟んだりして「そういうの求めてないんで早くバンド出してください」と思ってたりもしたものです。

内部事情の詳しいところはよく知りませんが、どうもゲーム化やのちのアニメ化をするにあたり初期の頃に企画を立ち上げたメンバーよりもあとから来たアニメ畑の人間が幅を利かせるようになっていった頃からおかしくなっていたのではないかなあと推察します。

リアルイベントに何度か足を運んだりSNSなどで他のファンの人との交流をする感じ、運営がやりたがっていたようなベタベタの美少女路線よりもむしろビジュアル系・BL系の男性メインの方をファン層は求めていたように感じました。ゲスな話金払いとかもそっちのほうが良さそうでしたし。

印象だけでなく、実際のデータとしても2015~2016年は「サンリオキャラクター大賞」では個別バンドごとにエントリーをしていたところいずれもメインのはずの美少女バンド「プラズマジカ」(2015年6位、2016年12位)よりも、ビジュアル系男性バンドの「シンガンクリムゾンズ」(2015年2位、2016年8位)が多く得票しています。

考えてみればそもそもサンリオのキャラクターのファン層は圧倒的に女性の方が多いわけですし、「バンドサウンド」という音楽ジャンルに対して性別関わらず求めているのは美少女的なかわいさではないことはすぐにわかるはずです。

にもかかわらず、ゲーム内では頑なに美少女路線にこだわり女性ユーザーもかなり多いということを見て見ぬふりをしてか、キャラクターのガチャに露骨なスク水やブルマといった古典的なエロアイコンを全面に出したイラストを平然と採用していたりします。

個人的には好きだった女性キャラクターが突然おっさん向けの古めのAVシチュみたいな衣装を着せられるのが本当に嫌で、キモウザな「社長」キャラのこともあり嫌悪感をつのらせていくことになりました。

今思い出しても美少女路線にするならするでもうちょっとオシャレなやり方もあったと思うのですが、運営のアニメとAVしか知らないような連中が古くてダサい時代遅れのエロ路線にすれば売れるに違いないというキモい判断をしてああいう路線にしていったんでしょうね。

私がソシャゲをやめたのは、当時よりリアルアーティストとして好きになっていた植田真梨恵さんのキャラ「まりまり」が、同じようにキモいブルマやスク水で集金に利用されるかもしれないのを見たくなかったというのもあります。

もう一つ言うと、動物型キャラ(ゲーム内の呼称はミューモン)のデザインをしている人も量産型美少女路線になったあたりで変わったようで、どこがどうというか全体的にセンスが悪くなったと思いました。

初期のデザインが神がかっていたというのもありますが、当初はモチーフにする動物について本当に細かく調べておりそれをデザインとキャラクターに落とし込むという技術がすばらしかったものが、のちには単に適当な未出の動物にアニメ的な量産テンプレキャラを当てはめるだけのつまらないものになっていきました。

私の考えですが、バンド・ミュージックやバンドマンなんてカッコつけてなんぼ、観客に夢を見せるのが”商売”なのに、そういう美学を一ミリも理解できないゲスな感覚の古いおじさんたちが寄ってたかってコンテンツの良さを骨抜きにしていったというのが総括的な印象です。

付け加えておきますが、運営には相当失望してゲームをやめた私ですが、メインキャラ「シアン」を演じていた稲川英里さんはじめキャラクターに声をあてていた役者さんたちはよいパフォーマンスをしてくれていたと思います。

ああいういいコンテンツをよってたかってゴミ化させていくしょうもない運営の要求に最大限の演技と歌で応える声優さんてすごいなと思った経験でもありました。

長くなりましたので次回へ続きます。

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